2024/08/27 12:16

サイフォン式

おしゃれなガラス製の器具を使って抽出する「サイフォン式」。これは気圧を利用した抽出方法で、沸騰して蒸気圧で上に移動したお湯とあらかじめセットしたコーヒー粉とが混ざったところで火を止めると、膨張していた水蒸気が水に変わり、減圧されて下へ再度移動する原理を用いています。
お湯が上がってきたところでコーヒー粉を上手に混ぜ合わせ、火加減を調節することで美味しいコーヒーができるのです。魅せながら淹れるコーヒーを味わいたい方はぜひどうぞ。

サイフォン式に必要な器具

〈ロート&フラスコ〉

サイフォン式コーヒーに必須なセット。下部のフラスコに上部のロートが差し込まれている作りで、ロートの下にろ過器をセットします。

〈ビームヒーター〉

フラスコ内の水を沸騰させるのに必要な器具。アルコールランプ、電気式、ガストーチ、ハロゲン等の種類があります。アルコールランプはサイフォンの熱源として一般的に人気ですが、サイフォン初心者には電気式がおすすめ。ボタンを押すだけで簡単に使え、手入れもしやすく安全です。

〈布(ネル)フィルター〉

ろ過器に取り付けるための紐がついている、サイフォン専用の布(ネル)フィルター。ペーパーフィルターに比べて洗う手間がかかりますが、紙のフィルターよりも目が粗いので、コーヒーオイルが多く抽出されやすく、まったりとした甘みを感じられるのが特徴です。新品の布フィルターは糊が付いている場合があるので、もみ洗いしてからのご使用をおすすめします。

〈濾過器〉

布フィルターを付けて使用する、ろ過を行うための器具。ロートに固定するバネが付いており、その下にボールチェーンが付いています。新しいろか器は、熱湯を通してからのご使用をおすすめします。

〈竹べら〉

攪拌 (かくはん)を行う器具。コーヒー粉にお湯が染み込むよう、竹べらで手早く混ぜることがサイフォン式コーヒーでは大切です。

〈細口ドリップポット〉

やかんでもコーヒーを淹れられますが、ドリップコーヒー専用の注ぎ口が細いタイプを使用することで、お湯を注ぐ量を微細にコントロールできます。素材や注ぎ口、サイズも違いがあるので、扱いやすいものを選びましょう。

〈メジャースプーン〉

ドリッパーと計量スプーンがセットになって販売されている場合が多く、そのほとんどが、コーヒー1杯につきスプーンすり切り1杯のコーヒー粉で淹れられるようになっています。別に購入する場合は、素材も豊富で、量の調節に便利な目盛り付き等もありますので自分の好みで選んでみてください。

〈カップ&ソーサー〉

コーヒーカップはどれも一緒…ではありません。カップの種類によってコーヒーの味わいに大きな違いが出ます。例えば、厚めのカップは苦味を感じやすく、薄めのカップは酸味を感じやすいといわれています。また、素材によっても保温力、口当たり、香りの立ち方が変化するので、自分の好みにあったカップを選びましょう。一般的に、紅茶カップと比較するとコーヒーカップは背が高く、寸胴な形で飲み口が狭いものが多くなっています。

・器具を揃えれば、家でもできる!
こだわりのコーヒーが飲める喫茶店にありそうなフォルムが特徴のサイフォン式器具。ちょっと費用はかかりますが、最初に一式揃えてしまえば理科の実験のような独特の抽出方法にて、家でいつでも香り高いコーヒーをいただくことができます。ペーパードリップのようにゆっくりと湯が落ち切るまで待つのと対照的に、蒸気圧によって一気に抽出するため、アツアツをキープしたまま飲めるのも特徴。趣味としてのコーヒーを楽しみたい方にオススメの方法です。

・器具を揃える前に考えたいこと
ペーパードリップほどではありませんが、家庭用のサイフォン式コーヒーメーカーもいろいろな種類が出ています。最初にまず考えたいのは「容量」! 一度に作るのは何杯分を想定していますか? その都度作る人もいれば、たくさん作って何人かと分け合ったり、一人で何杯も飲む人もいるかもしれません。しかしサイフォン式は3〜4杯分の器具で1杯分だけ作るのはかえって難しいので、初心者は2杯分の器具をマスターすることから始めるとよいでしょう。

・器具のお手入れ方法を把握しておこう
サイフォン式器具は「ロート」「フラスコ」「スタンド」など、さまざまなパーツから成り立っていますが、基本的には洗って何度も使うものが多いです。ガラスでできた部品もありますので取り扱いには注意が必要です。特徴的なのは「ろ過布」。ネル・ドリップ式と同じ「フランネル(ネル)」で作られていて、サイフォンの丸い形に成形されたものが販売されています。器具によって大きさもさまざまですので、必ず対応しているサイズのものを選びましょう。

・サイフォン式にも「ペーパーフィルター」はある
サイフォン式器具を使ってコーヒーを抽出する際のフィルターは「フランネル(ネル)」が一般的ですが、「お手入れがちょっと難しそう」「まずは手軽にサイフォン式で抽出したコーヒーを楽しみたい」という方に人気なのが使い捨ての紙製フィルターです。ただしペーパードリップ式のフィルターに比べて圧倒的に種類が少ないのが難点。「紙製フィルターも使うかも」と思ったら、器具を選ぶ際に対応機種を念頭に入れておいた方がいいかもしれません。